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ブランド買取専門店の内緒のはなし

エルメスの歴史の中で最古モデル「オータクロア」

2019年12月20日

由来・歴史

オータクロア

エルメスの歴史の中で最古モデル『オータクロア』。オータクロアとは「気高いベルト」という意味を持っています。
1892年に馬の鞍を入れるために作られた「サック ア セル」と呼ばれるのカバンでしたが、その当時はちょうど馬車から車へ移り変わりの真っ只中という時代背景も相まって、旅行バッグとして愛用され始めてオータクロアとなった、と言われています。そして三代目社長である”エミール モーリス エルメス”は旅行用バッグというだけでなく、働く女性や現代的な装いの女性が急増していたことも加味し、オータクロアを継承する形でケリーやバーキンなどを誕生させていったのです。

オータクロアは鞍づくりと同様、こだわりの高級レザーを使用するのはもちろん、クジュ・セリエという縫製技術などが施され、馬具と変わらぬクラフツマンシップがバッグへも宿っており、さすがエルメスといったところでしょう。

当時はオータクロアのように縫い目がすべて見えるデザインのバッグは珍しく、その斬新さも高い注目を浴びました。
数は少ないながらも、オータクロア誕生から125年以上経った今なお製造されている、時代を超えて愛される秀逸品です。
また、2011年の秋冬には『オータクロアHe』も登場しました。Heとはヘリウムのように軽くて金属パーツにアルミニウムを採用し軽量化されたモデルです。

普段使いにするなら素材選びが重要?!

オータクロア

馬の鞍を入れるバッグとして作られたオータクロアは、正方形に近い深さのあるフォルムで、ずっしりとして安定感すら感じさせます。荷物の重量を配慮し、底鋲も他のバッグに比べ大きく長めなつくりであることも特徴の一つで、旅行用途にも使いやすいバッグと言えます。

また、ビジネスシーンでサイズの大きなバッグが必要な方にとってはバーキンよりも使い勝手がいい存在。素材によってはバッグそのものの重さを軽減できるので、普段からガンガン使いたい方は素材の選択がキーポイントとなりそうです。また小さなサイズをチョイスすれば、もちろんデイリー使いでもいいでしょう。

サイズ 

オータクロア50

オータクロアのサイズは意外と多く、7サイズもの展開があります。どのサイズも希少なのですが、超大型は更に珍しい超希少品となっています。

【オータクロア28】サイズ:約 W28×H24×D15cm 

最小サイズとなるオータクロア28cmは小型かつ正方形に近いフォルムならではのコロンとした印象がどこかモードな雰囲気を感じさせるおしゃれさがあります。

【オータクロア32】 W32cm×H27cm×D16cm

オータクロア32cmは、バーキン30と35の間を取ったような絶妙なサイズ感。働く女性たちを中心に使いやすいと評価されています。存在感がありながら主張しすぎない大きさもコーデ的に◎

【オータクロア36】 W36cm×H32cm×D18cm

すべてのサイズが希少なオータクロアですが、中でも36㎝は流通が少ないサイズです。奥行と幅がほぼ変わらないのでバーキン35と同等の収納力ですが、バーキンより縦長な分、使い方によってはこちらのほうが荷物が入るような気がします。

【オータクロア40】 W40cm×H35cm×D22cm

40cm以上からの大きな特徴のひとつが、クロアを通す金具のやや下あたりの位置に横1本のステッチが施されています。重量感も結構でてきますので、女性が普段使いとして使いこなすには40くらいがマックスと考えても良いかもしれません。

【オータクロア45】 W45cm×H37cm×D25cm

高さよりも横のサイズ差が大きいため、40cmに比べるとタテ長い印象が強くなってきます。
こちらはやはり男性ファンが多いサイズ感。近年では他のラグジュアリーブランドがオーバーサイズのバッグなどをトレンドとして流行させたことも記憶に新しく、一生モノのして使えるオータクロアですから、今後も流行しだいで女性もカッコいいコーデとして取り入れてみたくなるサイズ感ではあるかもしれません。

【オータクロア50】 W50cm×H41cm×D26cm

50cmともなると、かなり迫力が増してきます。素材にもよりますが、45cmに比べて約1キロ程度も重くなるものもあるので、重量だけでかなりの違いを感じることとなるでしょう。もちろん個人差があるものの、男性でも普段使いに50はやや大きいなと思われる方も少なくはない印象です。

【オータクロア55】 W55cm×H45cm×D28cm

オーバーサイズのオータクロアはますますレア感がUP。オータクロア歴史のトップエピソードである、旅行バッグとして愛用され始めたという魅力を改めて感じさせられるような一品ではないでしょうか。

【オータクロア60】 W60cm×H48cm×D28cm

ここまでくると、もはやアート?!と言っても過言ではない大迫力。もちろん超希少サイズなので、実際使用せずとも、コレクター魂を揺さぶられて購入している方もいらっしゃいます。確かに、飾って眺めておきたくなるのもうなずける、インテリアにも一役買ってしまいそうな存在感です。

エルメスの最高級素材なくしては表現できない美しいカラーも魅力

オータクロア色

オータクロア人気カラーについては、やはりバーキンと同様、ブラック、グレー系、茶系などオーソドックスな色が人気高めではありますが、オータクロア(気高いベルト)と言う名にふさわしいエレガントな青系ブルーニュイなどもかなり昔から密かな人気があり、近年でも価値あるカラーと言われています。
そのほか、エルメスならではの深く美しい赤も世代を超えて愛され続けている一色。

素材については、傷つきやすさを避けるのか、素材のハリや柔らかさを重視するのか、好みがわかれると思います。

一般的には、やはり使い込むほどに味が出るうえ、傷がつきにくいことから
エルメスの素材の中でも高い人気を誇り、多くのファンから選ばれている”トリヨンクレマンス”や
柔軟性・防水性に優れ、適度な柔らかさ、マットな質感がデイリー仕様に使いやすいと人気の”フィヨルド”などをチョイスする方が多いようですが、
現在は廃盤となっている傷や濡れなどにもタフで硬めの質感が特徴的な “ヴァシェット グレネ アルデンヌ”を使用したタイプなどは重量感はありながらもカチっとしたフォルムもまた美しいことから特に大きいサイズのオータクロアなどで密かな人気があったタイプで、中古市場で出会うことがあったら飛びつくマニアもいるようです。そのほかにも、今やオーダーが不可とも言われている、最上級の美しさを放つクロコを用いたオータクロアや、プレシャス感と柔らかな雰囲気を兼ね備えたオーストリッチ、ツヤ感が上品な風格を感じさせるボックスカーフ、軽やかなカジュアルテイストが楽しめるトワルとレザーを組み合わせたタイプなど、これまで登場したオータクロアは多岐にわたります。

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