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ブランド買取専門店の内緒のはなし

女性の憧れ、エルメス「ケリー」

2019年1月24日

馬具製作の技術を生かした ケリー

Hermesが馬具工房としてその歴史をスタートさせたのは有名な話。
では、そのエルメスを代表するバッグ「ケリーバッグ」の歴史はご存知ですか?
1892年馬具工房であったエルメスで、その馬具製作の技術を生かした最初のバッグが作られました。
「サック・オータクロア」です。

しかしこの時にはまだ、この「サック・オータクロア」も馬具製品の一つ、サドルバッグでした。
サドルバッグとは鞍やサドルに取り付ける鞄のことで、シートバッグとも言われています。
1935年、このサドルバッグを婦人用のバッグとして改良し発売されたのが「サック・ア・クロア」
そして、この「サック・ア・クロア」を愛用していた一人が、グレース・ケリーその人だったのです。

グレースケリー画像

1955年、モナコ公妃となっていたグレース・ケリー。
パパラッチに狙われていたところ、妊娠中の腹部を「サック・ア・クロア」でとっさに守りました。
その時の写真が雑誌に掲載され、バッグも一躍有名になったのです。

エルメスはモナコ公国の許可を得て、1956年、正式にバッグの名称を「ケリーバッグ」に改名しました。
そして、現在でも「ケリーバッグ」は女性の憧れのバッグとして高い人気を維持し続けています。

デイリーのバーキンとフォーマルのケリー

Hermesを代表するバッグと言えば、「バーキン」と「ケリー」が有名ですね。
何となく似たデザインのバーキンとケリーですが、実は全然違います。
日常で気兼ねなく使うことを目的に作られたバーキンに比べ、ケリーバッグはフォルムの美しさが特徴の一つ。
硬めの革で型崩れしにくく、置いた時にしっかりと自立します。トップハンドルは一本でエレガントなシルエットになっているため、フォーマルなシーンで利用する方が多いようです。

更に、ケリーバッグにはバーキンにはない「外縫い」「内縫い」と言う2つの縫製によって印象の変わる2種類のバッグが存在します。

外縫い ケリー

外縫い

内縫い ケリー

内縫い

「外縫い」はその名の通り縫い目が外側に見えるようになっており、その分かっちりとした台形がシャープに際立った印象を与えているのに比べ、「内縫い」は逆に縫い目が内側に隠れているので、少し丸みを帯びた台形で柔らかい印象になっています。

どちらのケリーにしても、そのエレガントさ上品さは変わりがなく、フォーマルシーンで愛用される方が多いです。特に日本では着物には外縫い、パーティードレスには内縫いなど、着る物や場所によって使い分けている方もいるようです。

「エレガント」が鍵、ケリーの人気サイズ

バーキン同様、ケリーバッグにも様々な大きさが展開されていますが、中でも人気のサイズは25・28・32ですね。
ケリーバッグのサイズ選びに重要なのは、やはりケリーバッグの特徴ともいえる「エレガントさ」。
大きなサイズより、小さなサイズで上品に持ちたい方が多いようです。
しかし、バッグとしての用途も重要、そこで大き過ぎず収納力もある25・28・32が人気となっているようです。

サイズの特徴

ケリー25

約 幅25㎝ × 高さ17㎝ × 奥行き10.5㎝
ケリーバッグの中で一番小さいサイズ。
それでも長財布やスマホなどはしっかり収納出来ます。
あえて小さいバッグを持ちたい場面や、セカンドバッグとして二つ持ちする方も多いようです。

ケリー28

約 幅28㎝ × 高さ22㎝ × 奥行き11.5㎝
A5手帳も入る使い勝手のいいサイズ。
着物に合わせる方もこのサイズを持つ方が一番多いようです。
ケリーバッグのエレガントさを損なわない為にはあまり荷物を詰め過ぎない方が良いので、大き過ぎず小さ過ぎないこのサイズが人気なんですね。

ケリー32

約 幅32㎝ × 高さ23㎝ × 奥行き12㎝
荷物の多い方が普段使いするのにちょうどいいサイズ。
収納力も高く、そのため25や28に比べて「重い」という印象を持つ方も多いようです。

やはり、「エレガント」さが重要なケリーバッグ。
一番人気はケリー28、次いで25、32。
買取でもケリー28には高額査定が付きやすいようです。

ドレスアップしても、カジュアルダウンしても合わせられる

カラー画像エルメス
ケリーバッグの人気カラーは何と言っても「黒」。
やはりここでも「フォーマル」がキーワードになっています。
ドレスや着物に合わせたり、どんなフォーマルシーンにもピッタリはまるのはやはり「黒」でしょう。
主張し過ぎず、品の良さだけが浮き上がります。
そして、多くの人にとってケリーバッグは安い買い物ではありません。
長くお使いになることを前提にカラーを選ばれる方が多いようです。
好みやセンスが変わっても、時代の流行りが変わっても、違和感なく使えるのは「黒」なんですね。

次いで人気のカラーは「エトゥープ」。
Hermesを代表するグレー系カラーの定番となっています。
「黒」と違い柔らかい印象が増し、女性らしさが際立ちます。
着物に合わせる場合でも、「黒」は硬い印象になりすぎるとの理由から「エトゥープ」を選ぶ方も多いようです。

ケリー25のような小さいバッグをファッションの差し色として使いたいという方には、「ルージュグレナ」のような赤系を選ぶ方もいます。
小さめバッグはファッションの一つ、アクセントとして使う事も出来ます。
そういう場合、赤系やHermesカラーであるオレンジなどヴィヴィットで華やかなカラーを持つのがお勧めです。

ここだけの話ですが、中古市場ではケリーよりバーキンの流通の方が圧倒的に多く、その分ケリーは定番色である「黒」が高額買取される傾向にあります。

素材画像

エルメスには素材も沢山の種類があります。
牛革だけでも20種類ほど。全てのお客様の要望に対応できることをモットーにしていることから、多種多様なラインナップを充実させてきたそう。
山羊革、水牛革、ワニ革、トカゲ革、羊革、ダチョウ革…、その全てに名前が付けられています。

ケリーバッグの人気素材はヴォ―エプソン、トゴ、トリヨンクレマンスなど。全て型押しの牛革です。
ケリーバックはそのフォルムの美しさが人気の理由で、バーキンに比べやや硬めの型崩れしにくい素材が好まれています。
また、型押しの革は傷が目立ちにくいという特徴があり、少しくらいの傷は殆ど分からないので、扱いが不安な方や長く持ちたい方に人気があります。

また、「ボックスカーフ」の様に型押しの無い硬めの光沢あるレザーも人気です。
型押しタイプに比べ美しさがより引き立ち、上品に持ちたい方にお勧めです。

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